背景と歴史

SSSクラッチは１９５０年後半にY-100推進機器の摩擦プレートの故障により英国海軍により最初に指定されました。摩擦クラッチは試験装置では成功でしたが厳しい旋回や素早い嵌脱が要求され、高トルクがかかる外洋での演習では厳しい結果でした。これに対してSSSクラッチは完璧な結果でした。

演習の課題は複雑なもので、海軍防衛戦略からHMSスカーブラとHMSケッペル（COSOSシングルとツインシャフト）でハイパワーでの急旋回の操舵などの試験でSSSクラッチは完璧な性能でありました。

Y-１００の成功によりSSSクラッチはイギリス海軍の８１型トライバル級フリゲート（COSAG)とカウンテイ級（COSAG)駆逐艦の指定を受けました。更にSSSクラッチは世界で最初の全ガスタービン駆動の戦艦（COGOGその後COGAG)であるHMSエクスマスに採用されました。イギリスでの展開からカナダ海軍にもSSSクラッチは指定を受けました。

多くの貴重な経験よりSSSクラッチは８２型（COSAG)、２１型、２２型、４２型（COGAG)や２３型（ハイブリッドCODELAG)、インヴィンシブル級航空母艦HMSインヴィシブル、HMSイラストリアス、HMSアーク・ロイヤル（COGAG)などにも指定されました。

その後、アメリカ海軍は３種類の異なる推進クラッチを３つの推進システムインテグレーターと契約しました。SSSクラッチはオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートに採用されました。同時に摩擦クラッチとはみ合いカプリングがアメリカ海軍のミサイル砲艦、ハミルトン級カッターとスプールアンス級駆逐艦に採用されました。SSSクラッチのフリゲート艦は優れた成功を収めましたが、他は何度かの故障が発生しました。一つの特筆すべく事例として、DD-９６３スプルーアンスは同時に４台の摩擦クラッチが故障して無防備にさらされました。

スプルーアンス級、砲艦やハミルトン級カッターのSSSクラッチによるレトロフィット（改良）とFFGオリバー・ハザード・ペリー級の連続した高性能によりSSSクラッチは海軍ガスタービン推進のアーレン・バーク級DDG-５１よりSSSクラッチは指定されるようになりました。これらには最新のアメリカ海軍推進設計であるハイブリッドエネルギードライブ（HED)である改良型アーレン・バーク級フライトⅢを含みます。

これら初期に装着したSSSクラッチは今だ問題無く稼働中です。とりわけ注目すべきは、数台の予備役であるミサイルフリゲート艦はフリゲート艦のギャップを埋めるために再利用が検討されました。３５年間の就航にもかかわらず、イギリス海軍よりオーストラリア海軍に輸出されたアデレード級のタイプ２１，４２は今だ就航中です。

これらの理由からSSSクラッチは多くの海軍より指定を受けております。我々はこれらの事例が忘れられないことを望んでおります。